改正雇用保険法等が成立 ~厚生労働省~
雇用保険の適用対象者について、現行の週所定労働時間が20時間以上の労働者から週所定労働時間が10時間以上の労働者に拡大すること、育児休業給付に係る保険料率を0.1%引き上げ0.5%とするとともに、雇用保険財政の状況に応じて料率を現在の0.4%に据え置くことができる弾力的な調整規定を設けることなどを主な内容とした改正雇用保険法等が5月10日の参議院本会議で可決、成立した。
「雇用保険法等の一部を改正する法律案」は今年2月9日閣議決定され、同日、国会に提出された。
法案は、3月29日に衆議院で審議入りし、4月10日の同院厚生労働委員会において賛成多数で原案通り可決、翌11日の同院本会議で同様に可決、参議院へ送られた。
参議院では、4月18日に審議入りし、5月9日の同院厚生労働委員会において賛成多数で原案通り可決、翌10日の同院本会議で同様に可決、成立した。改正法の概要は以下の通り。
【雇用保険法等の一部を改正する法律】
1 雇用保険の適用拡大
雇用保険の被保険者の要件のうち、週所定労働時間を「20時間以上」から「10時間以上」に変更し、適用拡大する。
2 教育訓練やリ・スキリング支援の充実
(1)自己都合で退職した者が、雇用の安定・就職の促進に必要な職業に関する
教育訓練等を自ら受けた場合には、給付制限をせず、雇用保険の基本手当を受給できるようにする。
(2)教育訓練給付金について、訓練効果を高めるためのインセンティブ強化のため、雇用保険から支給される給付率を受講費用の最大70%から80%に引き上げる。
(3)自発的な能力開発のため、被保険者が在職中に教育訓練のための休暇を取得した場合に、その期間中の生活を支えるため、基本手当に相当する新たな給付金を創設する。
3 育児休業給付に係る安定的な財政運営の確保
(1)育児休業給付の国庫負担の引下げの暫定措置を廃止する。
(2)育児休業給付の保険料率を引き上げつつ(0.4%→0.5%)、保険財政の状況に応じて引下げ(0.5%→0.4%)られるようにする。
4 その他雇用保険制度の見直し
教育訓練支援給付金の給付率の引下げ(基本手当の80%→60%)及びその暫定措置の令和8年度末までの継続、介護休業給付に係る国庫負担引下げ等の暫定措置の令和8年度末までの継続、就業促進手当の所要の見直し等を実施する。
【施行期日】
令和7年4月1日(ただし、3(1)及び4の一部は公布日、2(2)は令和6年10月1日、2(3)は令和7年10月1日、1は令和10年10月1日)
雇用保険法等の一部を改正する法律案の概要