改正育児・介護休業法等が成立 ~厚生労働省~
子の年齢に応じた仕事と育児の両立支援拡充や介護離職防止のための介護休暇などの情報提供義務の強化を主な内容とした改正育児・介護休業法等が5月24日の参議院本会議で可決、成立した。
「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律案」は今年3月12月閣議決定され、同日、国会に提出された。
法案は、4月11日に衆議院で審議入りし、同26日の同院厚生労働委員会において全会一致で原案通り可決、5月7日の同院本会議で可決し、参議院へ送られた。
参議院では、5月10日に審議入りし、5月23日の同院厚生労働委員会において全会一致で原案通り可決、翌24日の同院本会議で可決、成立した。
改正法の概要は以下の通り。
【改正育児・介護休業法及び次世代法の一部を改正する法律】
1 子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現 するための措置の拡充
(1)3歳以上の小学校就学前の子を養育する労働者に関し、事業主が職場のニーズを把握した上で、柔軟な働き方を実現するための措置を講じ、労働者が選択して利用できるようにすることを義務付ける。
また、当該措置の個別の周知・意向確認を義務付ける。
(2)所定外労働の制限(残業免除)の対象となる労働者の範囲を、小学校就学前の子(現行は3歳になるまでの子)を養育する労働者に拡大する。
(3)子の看護休暇を子の行事参加等の場合も取得可能とし、対象となる子の範囲を小学校3年生(現行は小学校就学前)まで拡大するとともに、勤続6か月未満の労働者を労使協定に基づき除外する仕 組みを廃止する。
(4)3歳になるまでの子を養育する労働者に関し事業主が講ずる措置(努力義務)の内容に、テレワークを追加する。
(5)妊娠・出産の申出時や子が3歳になる前に、労働者の仕事と育児の両立に関する個別の意向の聴取・配慮を事業主に義務付ける。
2 育児休業の取得状況の公表義務の拡大 や次世代育成支援対策の推進・強化
(1)育児休業の取得状況の公表義務の対象を、常時雇用する労働者数が300人超(現行は1000人超)の事業主に拡大する。
(2)次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画策定時に、育児休業の取得状況等に係る状況把握・数値目標の設定を事業主に義務付ける。
(3)次世代育成支援対策推進法の有効期限(現行は令和7年3月31日まで)を令和17年3月31日まで10年間延長する。
3 介護離職防止のための仕事と介護の両 立支援制度の強化等
(1)労働者が家族の介護に直面した旨を申し出た時に、両立支援制度等について個別の周知・意向確認を行うことを事業主に義務付ける。
(2)労働者等への両立支援制度等に関する早期の情報提供や、雇用環境の整備(労働者への研修等)を事業主に義務付ける。
(3)介護休暇について、勤続6か月未満の労働者を労使協定に基づき除外する仕組みを廃止する。
(4)家族を介護する労働者に関し事業主が講ずる措置(努力義務)の内容に、テレワークを追加する。
【施行期日】
令和7年4月1日(ただし、2(3)は公布日、1(1)及び(5)は公布の日から起算して1年6か月以内において政令で定める日)。