外国人技能実習法が成立
外国人技能実習法が、11月18日の参議院本会議で可決、成立した。
「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案」は、平成27年3月6日閣議決定され、同日、第189回通常国会に提出された。
同国会では、9月3日に衆議院本会議で審議入りし、その後、法案は同院法務委員会に付託されたが、質疑は行われないまま継続審議扱いとなった。そして、今年の第190回通常国会では、4月6日に衆議院法務委員会で本格的に審議入りし、その後、同院法務委員会厚生労働委員会連合審査会を行った。また、施行期日などを修正する与野党共同の修正案が提出された。
しかし、委員会での採決は行われないまま会期末処理により、再び継続審議となった。 今臨時国会では、10月21日に衆議院法務委員会において、法案の提案理由の説明を省略し質疑を行い、また、法案の施行期日を修正するなどの修正案について趣旨説明を聴取し質疑を行った後、修正案及び修正部分を除く原案について採決を行った。その結果、修正案については全会一致、修正部分を除く原案については賛成多数で可決、同25日の同院本会議において同様に可決し、参議院へ送られた。参議院では、10月28日に本会議で法案の趣旨説明及び質疑を行い、11月1日、同8日、同10日、同15日、同17日に同院法務委員会で質疑を行い、また、同10日に法務委員会厚生労働委員会連合審査会を行った。そして、同17日の法務委員会で質疑終了後採決され、賛成多数で可決、翌18日の同院本会議で同様に可決、成立した。
法律の概要は以下の通り。
【外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律】
(1)技能実習の基本理念及び関係者の責務規定を定め、技能実習に関し基本方針を策定する。
(2)技能実習生ごとに作成する技能実習計画について認定制とし、技能実習を実施する者及び実施を監理する者(監理団体)は、技能実習計画に従って技能実習を実施または実習監理しなければならないこととする。
(3)実習実施者について届出制とする。
(4)監理団体について許可制とし、許可の欠格事由、許可基準、改善命令、許可の取消し等を定める。
(5)技能実習生に対する人権侵害行為等について、禁止規定を設け、違反に対する罰則を規定する等、技能実習生の保護に関する措置を講ずる。
(6)外国人技能実習機構を認可法人として新設し、(2)の実習実施計画の認定、(3)の実習実施者の届出、(4)の監理団体の許可に関する事務等を行わせる。
(7)優良な実習実施者・監理団体に限定して、第3号技能実習生の受入れ(4~5年目の技能実習の実施)を可能とする。
(8)技能実習の在留資格を規定する出入国管理及び難民認定法等の関係法律について改正を行うほか、所要の改正を行う。
(9)施行期日は、公布日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日(ただし、(6)については、公布日)。