雇用保険法等の改正案が国会に提出される

2020年2月7日

多様化する就業ニーズに応じたセーフティネットの整備、就業機会の確保等を通じて、職業の安定と就業の促進等を図るため、雇用保険について、育児休業給付の失業等給付からの分離による位置付けの明確化、65歳以上の短時間複数就業者に対する適用等の措置を講ずるとともに、65歳から70歳までの高年齢者就業確保措置等による支援、複数就業者に対する労災保険の給付の拡充等を内容とした「雇用保険法等の一部を改正する法律案」が2月4日閣議決定され、同日、国会に提出された。
法案は6本の法律を一括改正するもの。概要は以下の通り。
【雇用保険法等の一部を改正する法律案】
(1)高齢者の就業機会の確保及び就業の促進(高年齢者雇用安定法、雇用保険法)
(イ)65歳から70歳までの高年齢者就業確保措置(定年引上げ、継続雇用制度の導入、定年廃止、労使で同意した上での雇用以外の措置(継続的に業務委託契約する制度、社会貢献活動に継続的に従事できる制度)の導入のいずれか)を講ずることを企業の努力義務にするなど、70歳までの就業を支援する。 
(ロ)雇用保険制度において、65歳までの雇用確保措置の進展等を踏まえて高年齢雇用継続給付を令和7年度から縮小する。
(2)複数就業者等に関するセーフティネットの整備等(労災保険法、雇用保険法、労働保険徴収法、労働施策総合推進法)
(イ)複数就業者の労災保険給付について、複数就業先の賃金に基づく給付基礎日額の算定や給付の対象範囲の拡充等の見直しを行う。
(ロ)複数の事業主に雇用される65歳以上の労働者について、雇用保険を適用する。
(ハ)勤務日数が少ない者でも適切に雇用保険の給付が受けられるよう、被保険者期間の算入に当たり、日数だけでなく労働時間による基準も補完的に設定する。
(二)大企業に対し、中途採用比率の公表を義務付ける。
(3)失業者、育児休業者等への給付等を安定的に行うための基盤整備等(雇用保険法、労働保険徴収法、特別会計法、労災保険法)
(イ)育児休業給付について、失業等給付から独立させ、子を養育するために休業した労働者の生活及び雇用の安定を図るための給付と位置付ける。
(ロ) (イ)を踏まえ、雇用保険について、(ア)育児休業給付の保険料率(1000分の4)を設定するとともに、経理を明確化し、育児休業給付資金を創設する、(イ)失業等給付に係る保険料率を財政状況に応じて変更できる弾力条項について、より景気の動向に応じて判定できるよう算定方法を見直すーーの措置を講ずる。
(ハ) (ロ)の整備を行った上で、2年間(令和2年度〜3年度)に限り、雇用保険の保険料率及び国庫負担の引下げ措置を講ずる。雇用保険二事業に係る保険料率を財政状況に応じて1000分の0.5引き下げる弾力条項について、さらに1000分の0.5引き下げられるようにする。
(二)保険給付に係る法令上の給付額に変更が生じた場合の受給者の遺族に対する給付には、消滅時効を援用しないこととする。
(4)施行期日
 令和2年4月1日(ただし、(2)(イ)は公布後6ヵ月を超えない範囲内で政令で定める日、
(2)(ハ)は令和2年8月1日、(1)(イ)、(2)(二)、(3)(二)は令和3年4月1日、(2)(ロ)は令和4年1月1日、
(1)(ロ)は令和7年4月1日)。
詳しくはこちらまで(厚生労働省のホームページに移動します)。

https://www.mhlw.go.jp/stf/topics/bukyoku/soumu/houritu/201.html

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